Forever Youngの話をしたかったわけじゃない。
最近、記事よりもコメント欄の方が面白いことが多い。
きっかけは、とある方の七夕の投稿だった。
子どもの頃、おねしょが治るように短冊へ願いを書いたら、本当に治ったという話。
そして、お子さんが書いた願い事が紹介されていた。
「みんながいまのまましにませんように。」
その一文を見て、私は思わずコメントした。
「不死か……なかなか望むね〜。」
すると、会話が始まった。
医療の仕事の話になり、「今のまま死なないのは難しいですよね」という流れから、コールドスリープの話へ。
そんな話をしているうちに、私はふと口にした。
「何もせずに生き残っても、意味がないでしょう。」
その瞬間、頭に浮かんだのが、メル・ギブソン主演の映画 Forever Young だった。
眠り続け、目覚めた世界では、愛する人も時代も変わってしまっている。
そんな切ない物語である。
相手はすぐに映画の概要を調べ、
「短冊からメル・ギブソンか……今日はすんごい日になりました。」
と返してきた。
私も思わず笑った。
おねしょの短冊から、不死の話になり、
コールドスリープを経由して、
メル・ギブソンへ。
コメント欄は、ときどき脚本家でも思いつかないような展開になる。
さらに話しているうちに、お互いがヨネケンさんつながりだったことが分かった。
私は、
「彼は、うちの軍団のブレーンです。フィクサーですよ。」
と紹介した。
すると相手は、
「知らないでめちゃくちゃ絡んでました(笑)。
なんか、いっつも素敵な言葉を発する人だなーって。
ちまたでも噂です。」
と返してきた。
私は思わず、
「ヨネケンさん、そんなに人気なんですか?
それは、妬けるなー!」
と返した。
もちろん冗談である。
でも、このやり取りを振り返って、一つ気づいたことがあった。
私はコメントを書いているつもりだった。
でも、読まれていたのは私の方だった。
最初は「マージンさん?」だった相手が、医療の仕事を知り、映画の好みを知り、「軍団」に興味を持ち、共通の知人まで見つけていく。
気づけば、その後彼女は軍団にも加わっていた。
あの日、私が話したかったのは Forever Youngのことじゃない。
観測していたつもりだった私が、
いつの間にか観測されていた。
ただ、それだけの話である。



この記事はリョウコさんに捧げる。
子どもの短冊の話から不死の議論、コールドスリープを経てメル・ギブソンへと至る、コメント欄の予測できないラリーの面白さに思わず笑ってしまいました。
あらかじめ決められた着地点に向かうのではなく、相手との心地よいテンポの掛け合いの中で、脚本家すら思いつかないような場所へ次々と会話が飛んでいくライブ感は、まさに言葉を交わすことの醍醐味ですね。