先日、
温泉からの帰り道、
山の景色を眺めながら考えていた。
人間は、
何によって回復するのだろうかと。
---
病院の宿直は、
「眠れない」のではない。
そもそも眠る時間がない。
検体が届く。
緊急検査が入る。
輸血対応が始まる。
気が付けば朝になっている。
身体も疲れる。
だが本当に疲れているのは、
神経の方なのかもしれない。
---
そんな時、
私は時々温泉へ行く。
今回訪れたのは、
和歌山県の龍神温泉だった。
---
龍神温泉は、
日本三大美人の湯の一つとして知られている。
湯に入った瞬間、
肌を包み込むような柔らかさを感じた。
確かに、
美人の湯と呼ばれる理由は分かる。
---
だが、
湯に浸かりながら考えていたのは、
美容のことではなかった。
---
「回復とは何だろう」
そんなことだった。
---
日本三大美人の湯には、
それぞれ特徴がある。
川中温泉はぬるめの湯で、
長く浸かりながら休む温泉として知られている。
湯の川温泉は、
湯上がり後も身体が冷えにくい。
龍神温泉は、
肌をなめらかに整える。
---
同じ美人の湯でも、
回復の方法は違う。
---
その時、
ふと思った。
---
人間も同じではないだろうか。
---
一人になることで回復する人がいる。
誰かと話して回復する人がいる。
本を読む人もいる。
旅に出る人もいる。
---
回復法は人それぞれ違う。
---
だが、
そこで別の疑問が浮かんだ。
---
私たちは本当に回復しているのだろうか。
---
最近、
温泉旅館でも、
休憩所でも、
電車でも、
同じ光景を見る。
---
皆、
スマートフォンを見ている。
---
温泉に入る。
---
休憩する。
---
そしてスマートフォンを見る。
---
SNSを見る。
ニュースを見る。
仕事の連絡を見る。
メールを見る。
---
気が付けば、
脳だけは働き続けている。
---
身体は休んでいる。
---
しかし、
神経は休んでいない。
---
もしかすると現代人は、
回復したいのではなく、
回復した気になりたいだけなのかもしれない。
---
疲れている。
---
だから旅行へ行く。
---
温泉へ行く。
---
だが、
その移動中も、
その休憩中も、
情報を摂取し続ける。
---
それは本当に休息なのだろうか。
---
私は龍神温泉の帰り道、
久しぶりにスマートフォンを鞄の中へしまった。
---
川の音を聞いた。
---
山を見た。
---
空を見た。
---
誰からも連絡は来ない。
---
何かを生産する必要もない。
---
その時ようやく、
少し呼吸が深くなった気がした。
---
年齢を重ねるにつれて思う。
---
本当の回復とは、
元気になることではないのかもしれない。
---
自分のペースを思い出すこと。
---
何もしないことを許すこと。
---
そして、
脳を働かせ続けることをやめること。
---
現代人は、
身体より先に神経が疲れている。
---
だから必要なのは、
高級な温泉かもしれないし、
静かな喫茶店かもしれないし、
近所の公園かもしれない。
---
場所は人それぞれ違う。
---
だが共通していることがある。
---
それは、
「情報から離れる時間」が存在していることだ。
---
龍神温泉は、
美人の湯として有名である。
---
だが私にとっては、
肌を整える場所ではなく、
神経を静かにする場所だった。
---
温泉からの帰り道、
そんなことを考えながら山を下った。
---
来週になれば、
また検査室で顕微鏡を覗いているだろう。
---
それでも、
少しだけ余裕が戻った気がした。
---
そして今でも時々考える。
---
私は本当に回復したのだろうか。
---
それとも、
回復した気になっていただけなのだろうか。
---
もし皆さんに、
「ここへ行くと自分を取り戻せる」
そんな場所があるなら教えてほしい。
ただしその前に、
少しだけ考えてみてほしい。
---
その場所で、
あなたの身体は休んでいるだろうか。
それとも、
あなた自身が休めているだろうか。

自然はわかりますね。
森の香りで気がつくと何も考えてない事にハッとする。
悩むことでもなかったと冷静になれますよね。
好きなドラマってなんですか?
まさかの24?
本当にすまないと思っている
ですね。わかります。
えっ?僕だけですか?😆
美人のHARUさんに捧げる記事です♪