穴のある家

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Substackの面白さは、記事を書いて終わりではないことだ。
本当の物語は、そのあとに始まる。
コメントだったり。
リスタックだったり。
ほんの数行のやり取りだったりする。
ある日、ジャミさんが記事をリスタックしてくださった。
そこには、こんな言葉が添えられていた。
> コメントを書くときの勇気、分かります☺️
>
> 私もあれこれと書いたのに途中で
> 「……これ、お相手様に伝わるか?😳」
> と考えに考えたあげく、結局消してしまうこともよくあります。
>
> でもやっぱり、いま仲良くさせていただいてる方々は、コメントのやりとりを何度も何度も繰り返させていただいた方々ばかり😌
>
> 少しずつ自然に無理なく繋がっていきたいです🍀🐬🦋
読み終えた私は、思わず頷いた。
コメントを書く。
たったそれだけのことなのに、案外勇気がいる。
「この言い方で大丈夫かな。」
「重く思われないかな。」
「余計なことを書いていないかな。」
書いては消し。
また書いては消す。
送信ボタンを押す頃には、最初に書いた文章とは別物になっている。
きっと、誰もが一度は経験していることだ。
私もそうだった。
だから返事を書いた。
「ジャミさん。
リスタックありがとうございます。
奥ゆかしい方なんですね。
素敵です。😀」
すると返ってきた。
「はい、奥ゆかしすぎて
後ろの壁にめり込んでしまっております😆
ありがとうございます☺️✨」
……壁に。
めり込む。
その一文を読んだ瞬間、
私は画面の前で止まった。
人見知りを「壁にめり込む」と表現する人に、私は初めて出会った。
部屋の隅へ行くでもない。
物陰へ隠れるでもない。
壁の中へ入ってしまうのである。
しかも。
**後ろ向きに。**
これが実にいい。
もし前向きにめり込んでいたら。
さすがに怖い。
壁の向こうから、何事もなかったような顔で出てきそうである。
後ろ向きだから可愛い。
「すみません……。」
「おじゃまします……。」
と言いながら、
誰にも迷惑をかけないように、
少しずつ壁へ吸い込まれていく。
そんな姿が、はっきり目に浮かんだ。
その瞬間、
私は笑ってしまった。
だから返した。
「家の壁、穴だらけになってますね。
人形がめり込んだ跡がある家……
怖すぎる……😨」
返ってきたのは、
🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣
……それだけだった。
でも、不思議と伝わった。
言葉より先に、
笑いが返ってきた。
それだけで十分だった。
人との距離は、
長い自己紹介では縮まらない。
何気ない冗談。
くだらない一言。
たった数秒、一緒に笑ったこと。
そんな小さな出来事が、
いつの間にか壁を薄くしていく。
Substackは、
記事を書く場所でもある。
でも同じくらい、
人と笑い合う場所なのだと思う。
そして、ふと思った。
もし本当に、
ジャミさんが奥ゆかしさのあまり、
後ろ向きに壁へめり込むたびに穴が開くのなら。
我が家の壁は、
きっと穴だらけになる。
普通なら、
欠陥住宅だ。
でも、その穴だけは塞がない。
壁に残った穴を見るたび、
あの日の笑い声が聞こえる気がするから。
穴の向こうには、
最初の「こんにちは」がある。
勇気を出して押した送信ボタンがある。
そして、
一緒に笑えた時間がある。
そんな穴のある家なら、
私は、ずっと残しておきたい。


この記事をジャミさんに捧げる。
お二人ともコメントのセンスが素敵すぎます😂✨