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関西万博が終わった。
今になって思い出す。
去年の夏、
私は9回も会場へ足を運んでいた。
最初から、
そんなつもりはなかった。
せっかく関西に住んでいる。
一度くらい見ておこう。
その程度だった。
最初の日。
海外パビリオンを歩き、
大屋根リングを歩き、
噴水ショーを見て、
ドローンショーまで見た。
これで十分だと思っていた。
ところが帰る頃には、
「もう一回来よう」
そう考えていた。
見られなかったパビリオンがある。
夜の景色も、
もう一度見たくなった。
その「もう一回」のために、
私は夏パスを買った。
気がつけば9回。
自分でも少し笑ってしまう。
通うたびに、
万博の見え方は少しずつ変わっていった。
展示だけではなく、
そこに集まる人へ目が向くようになった。
各国のパビリオンには、
それぞれの「迎える気持ち」があった。
どうすれば自分たちの国を好きになってもらえるだろう。
そんな思いが、
展示のあちこちから伝わってきた。
イタリア館では、
巨大なウォールスクリーンがゆっくり開いた。
その瞬間、
「おお……」
周りから思わず声が漏れた。
映像というより、
景色そのものが開いたような感覚だった。
ハンガリー館では、
幻想的な歌声が響いていた。
歌詞は分からない。
それでも、
歌い終えてもしばらく誰も拍手をしなかった。
あの静かな数秒が、
今でも記憶に残っている。
万博には、
一つだけ不思議なことがあった。
誰とも約束していないのに、
会話が始まる。
「どのパビリオンが良かったですか?」
知らない人がそう話しかけてくる。
おすすめを教え合い、
暑さに苦笑し、
「今日はどこへ行くんですか」
そんな話をしているうちに、
列は少しずつ進んでいく。
待ち時間だったはずなのに、
退屈だった記憶はほとんどない。
関西万博は終わった。
建物は少しずつ片付いていく。
それでも、
心に残っているのは、
イタリア館のスクリーンでも、
ハンガリー館の歌声でもない。
列で交わした、
ほんの数分の会話だ。
名前も知らない誰かが、
「クウェート館は良かったですよ」
そう教えてくれた。
私は、
「ハンガリー館にまだ行っていないなら、ぜひ」
そう返した。
それだけの会話だった。
あの人は、
結局クウェート館へ行けたのだろうか。
今でも思い出すのは、
「どのパビリオンが良かったですか?」
あの夏は、
まだどこかに残っている。



ギャハハ〜〜!
🤣🤣🤣
じゃあなんでなんで最初に関東人とぉ!?
謎だ。😱
「一度だけのつもりが気づけば9回も通った」というお話や、豪華なパビリオン以上に「待ち列で交わした名前も知らない人との数分の会話」が一番記憶に残っているという内容にすごく納得しました。同じ空間や時間を共有しているからこそ生まれた一期一会のやり取りは、万博という場だからこそ味わえる何よりの魅力ですね。